疾患別看護計画:小児の心疾患

小児の心疾患の看護計画

#1疾患、治療に対する不安がある

目標:患児、家族の不安が軽減される

O-P

1 家族の言動、表情

2 家族の患児への接し方

3 家族の疾患や予後に対する受け止め方

4 医師からの病状説明内容

T-P

1 家族からの訴えは傾聴し、受容的態度で接する

2 言動を統一することで余計な不安を抱かないように注意する

3 家族と接する機会を多く持ち、話しやすい雰囲気をつくる

4 家族の理解が不十分の場合は適宜説明を加える

EーP(教育)

1 患児への接し方について説明する

2 不安や心配事については相談に乗ることを説明する

#2チアノーゼ型心疾患の場合、酸素消費量の増加に関連した無酸素発作を起こす可能性がある

目標:発作時に適切な処置が受けられ、重篤な状態に陥らない

O-P

1 チアノーゼ増強の有無、特に覚醒時、食事時、入浴時、排便時、啼泣時

2 バイタルサイン

3 呼吸困難、呼吸速迫の有無

4 意識消失、眼球上転、全身脱力状態の有無

5 躊躇の姿勢の有無

6 検査データ:血液ガス分析

T-P

1 ベッドサイドに酸素吸入、吸引の準備をしておく

2 発作の徴候が認められたら、直ぐ患児の行動をやめさせ安静にさせる

3 啼泣時の乳幼児に対しては啼泣の原因をすぐ排除し抱介を行う

4 腹臥位又は側臥位で膝胸位にする

5 気道を確保して酸素吸入を行い、医師に報告し呼吸心拍モニターを装着する

6 鎮静剤など薬剤の投与、救急処置の介助を行う

7 日常生活での身体的負担を軽くする

a 入浴はぬるめのお湯に短時間

b 食事は消化の良い物

c 排便時、努責を少なくするように排便コントロール

d 乳児は長時間啼泣させない

8 医師の指示により発作予防の為の薬剤を投与する

EーP(教育)

1 家族に発作の誘因について説明し、発作が起こらないような日常生活の方法について指導する

2 家族に発作時の対処方法を説明する

#3左から右シャントに続発する肺血液量の増加、気道分泌物の増加に関連した呼吸器合併症を起こす可能性がある

目標:うっ血性心不全を起こさない、もしくは憎悪を防ぎ気道感染症を起こさない

O-P

1 呼吸音、呼吸数

2 努力呼吸、肩呼吸、鼻翼呼吸、陥没呼吸の有無、程度

3 咳嗽、喘鳴、肺湿性ラ音の有無、喀痰分泌物の量、性状

4 バイタルサイン

5 風邪症状の有無

6 口内炎、齲歯の有無

7 検査データ:胸部レントゲン、血液ガス分析

T-P

1 口腔内清拭、含嗽、歯磨きを行い口腔内の清潔を保つ

2 感染症疾患患児と接しないように配慮する

3 分泌物の貯留による無気肺を予防する為、体位ドレナージ、タッピング、吸引を行う

4 呼吸状態の変化はうっ血性心不全の徴候でもあるので注意する

5 指示により去痰剤などの投与を行う

EーP(教育)

1 家族に口腔内清潔の方法、上気道炎の予防について指導する

#4心拍出量の減少に続発する身体各部のうっ血に関連した心不全状態に陥る可能性がある

目標:うっ血性心不全を起こさない、もしくは憎悪を防ぐことが出来る

O-P

1 バイタルサイン、不整脈、血圧低下の有無

2 顔色、口唇色、チアノーゼの有無

3 活気、機嫌

4 呼吸困難、多呼吸、咳嗽、喘鳴、ラ音、胸痛、呼吸困難発作の有無

5 末梢循環不全、四肢冷感、末梢チアノーゼの有無

6 尿量減少、浮腫、体重の著名な増加の有無

7 肝腫、腹水貯留の有無

8 食欲不振、吐き気、嘔吐、鼓腸、下痢、便秘の有無

9 検査データ:胸部レントゲン、心胸比(CTR)、電解質

T-P

1 畜尿または尿量測定し、水分バランスのチェックを行う

2 同一条件で体重を毎日測定し、著明な増加がある時は医師へ報告する

3 患児が誤って水分や塩分を制限異常に摂取したり、輸液が過剰に投与されたりしないように注意する

4 医師の指示により強心剤、利尿剤などの薬剤を与薬する

5 ベッド上安静を保ち、上体を挙上させた体位にする

6 処置、ケアは安静を妨げないよう安楽に短時間で終える

7 面会者の制限を行い静かな環境をつくる

8 左から右シャントの著しい疾患の乳児では、啼泣後に激しい呼吸困難としんぎんが出現し、顔色蒼白となる呼吸困難発作が起こりやすいのでなるべく泣かさない

9 呼吸困難発作時は状態挙上、気道確保、酸素吸入を行い医師に報告する。呼吸心拍モニターを装着し鎮静剤の投与や救急処置の介助を行う

EーP(教育)

1 家族に水分制限、塩分制限の必要性を説明し協力を得る

2 飲水量や尿量の測定方法を指導する

3 乳児の場合、家族に呼吸困難発作について説明し泣かさないような方法について指導する

4 発作時はすぐ連絡するように説明する

5 安静の必要性について説明する

#5ジギタリスの投与に関連した中毒症状が出現する可能性がある

目標:中毒症状が早期に発見され、対処が受けられる

O-P

1 吐気、嘔吐、食欲不振の有無

2 徐脈の有無(乳児は90~110/分以下、年長児70/分以下)

3 不整脈の有無

4 心電図変化の有無:PR間隔延長、心室性期外収縮(PVC)

5 検査データ:血清カリウム値

T-P

1 指示された正確な量のジギタリス剤を投与する

2 中毒症状として最も早く吐気嘔吐が出現る為、一度でも嘔吐があれば与薬前に心拍数を測定し、異常があれば医師に報告する

3 利尿剤を併用している場合は低カリウム血症となりやすくジギタリス中毒を助長するので注意する。またカリウムを多く含む食品を摂取させる

4 血中濃度を維持するため、決められた時間に与薬する

5 ジギタリス剤を嫌がって嘔吐したり吐き出したりした場合、再与薬をすると過剰与薬となる恐れがあるので医師に報告する

6 ジギタリス中毒を起こした場合、ジギタリス剤を中止しカリウム剤の与薬や抗不整脈剤の与薬が行われるので介助する

EーP(教育)

1 家族に正確な与薬ができるよう指導する

2 ジギタリス中毒の症状を説明し異常があれば早く連絡するよう指導するあ

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