疾患別看護計画:小児の急性糸球体腎炎

小児の急性糸球体腎炎の看護計画

#1腎機能低下に関連して症状が悪化する可能性がある

目標:症状(浮腫、血尿、高血圧、感染徴候、合併症)が軽減する

O-P

1 バイタルサイン

2 浮腫、血尿、高血圧の有無・程度

3 尿量、比重、性状

4 体重の変化

5 水分出納

6 検査データ:尿、血液検査、心エコー、心電図、腎エコー、レノグラム、シンチなど

7 合併症の有無

8 感染徴候の有無

T-P

1 指示された安静が維持できるように援助する

2 輸液、抗生物質、服薬管理を行う

3 水分出納管理を行う:畜尿、尿量、水分摂取量など

4 同一条件で毎日体重を測定する

5 必要に応じてマットレスを選択する:褥瘡防止マットレス

6 状態に合わせた皮膚の清潔ケアを行う

7 発熱時には冷罨法や保温を行い、医師の指示のもと解熱剤の投与を行う

EーP(教育)

1 患児の発達段階のレベルに合わせて、感染の危険性や予防について説明する

2 家族に感染の危険性や予防について説明する

3 患児の発達段階のレベルに合わせて皮膚障害の危険性や予防について説明する

4 家族に皮膚障害の危険性や予防について説明する

5 異常を思わせる症状や徴候があれば、すぐに知らせるように説明する

6 治療上必要な水分量、尿量の測定方法を説明する

#2患児の発達段階のレベルや家族を含めた疾患に対する知識不足に関連して、治療を守れず症状が悪化する可能性がある

目標:安静の必要性が理解でき、安静度を守れる。食事、水分制限の必要性を理解し制限が守れる。内服の必要性を理解し、継続して内服ができる

O-P

1 安静が守れているか

2 患児の一日の生活態度

3 危険行動の有無

4 検査データ:CBC、尿検査

5 尿量、比重、性状

6 食欲

7 食事摂取量

8 水分摂取量

9 食事制限を守る必要性に関する言動

10 薬の内服状況

T-P

1 安静度に沿った遊びや勉強を工夫する

2 患児の嗜好について母親より情報を得る

3 嗜好が合わず食べられない場合

a 栄養士と食事内容、盛り付けなどを相談する

b 塩分の少ない、または入っていない香辛料や調味料を使用する

4 病院食の摂取が困難な場合は食品交換を配慮する

5 内服状況を確認する

6 家族と内服方法を検討する

7 表出する言動を受容する

8 頑張ったことに対して褒める:それを形にする

9 患児が協力できることを話し合う

EーP(教育)

1 患児の発達段階レベルに合わせて、安静の必要性について説明する

2 安静の必要性について家族にも説明し協力を得る

3 水分制限のある場合一日の飲水量について説明する

4 食事水分制限の必要性について説明する

5 患児の発達段階レベルに合わせて、内服の必要性について説明する

6 内服の必要性について家族にも説明する

#3長期入院・付き添いによる家族機能の変化に関連した親役割の葛藤がある

目標:家族が葛藤を表出することが出来る。家族との分離不安が最小にできる

O-P

1 表情、言動

2 セルフケアの状況

3 家族間のサポートの有無

4 疾患に対する理解

T-P

1 家族がリラックスできるような環境を整える

2 不安を表出できるように気持ちに寄り添う

3 家族の協力の下で家に帰る時間をつくれるよう調整する

4 不在時の児の様子を伝える

EーP(教育)

1 不安を解消できるよう治療や経過について繰り返し説明する

2 家族間のサポートを調整する

#4退院後の生活指導に対する理解不足に関連した再発の可能性がある

目標:患児や家族が生活指導を理解したことを表現できる

O-P

1 疾患についての理解度:表情、言動、日常生活の状況

2 医師の説明内容

3 家庭での生活習慣

T-P

1 説明をする時には、患児や家族がリラックスできるような環境を整える

2 患児や家族が不安を表出できるように気持ちに寄り添う

3 発達段階のレベルに合わせて患児に説明する

4 必要時学校や幼稚園、保育園の担任や養護教諭に連絡を取り協力を得る

5 継続看護が得られるよう、必要に応じて外来や地域へ情報提供を行う

EーP(教育)

1 全ての説明は患児の発達段階レベルに合わせて行う

2 家庭での生活に沿って日常生活の説明を行う(パンフレットなどを使用)

a 食事の内容について

b 活動、運動について

c 内服について

d 尿量、性状について

e 学校生活について:通学、体育、内服環境

3 再発の徴候や症状について説明する

4 必要時栄養士からの栄養指導を行う

5 異常時の連絡方法について説明する

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