小児の髄膜炎の看護計画
#1髄膜刺激症状により、痙攣をおこすことに関連した脳浮腫の可能性がある
目標:痙攣の徴候と症状が観察され発作時は、抗痙攣薬の与薬が速やかに受けられる
O-P
1 けいれん発作の状態
a 突発性か、前駆症状の有無
b 痙攣の初発部位
c 強直性化、間代性か
d 発作の持続時間
2 随伴症状
a 無呼吸、チアノーゼの有無
b 意識障害、大泉門の膨隆、頭痛
c 発熱、下痢、嘔吐
d 麻痺
e 異常な眼球運動
f 咬むような運動
3 頭位測定:1回/1日決められた時間
4 髄液検査、培養検査、頭部エコー
T-P
1 気道の確保を行う
a 肩枕の使用
b 必要時は酸素投与、挿管の準備
c 体位変換
2 モニターを装着する
3 医師の指示にて抗痙攣薬を与薬する
#2髄膜刺激症状による嘔吐に関連した誤嚥の可能性がある
目標:誤嚥の予防と対処がされ、肺合併症を起こさない
O-P
1 胃内残量、性状
2 嘔吐時の状況
3 呼吸状態:呼吸数、呼吸音、胸郭の動き
4 胸部レントゲン
T-P
1 胃チューブを挿入する
2 誤嚥の可能性のある場合はすぐ口・鼻腔内吸引し、肺音を聴収する
3 肩枕の使用、上体挙上、顔を横に向ける
4 異常時は医師に報告する
#3抗利尿ホルモンの不適当な分泌に関連した脳浮腫の可能性がある
目標:水分過剰を起こさず必要な尿が保たれる
O-P
1 バイタルサイン
2 正確な水分出納
3 大泉門の膨隆
4 尿比重、尿テープチェック:1回/勤務帯
5 浮腫
6 頭囲測定:1回/1日決められた時間
T-P
1 確実な尿量測定を行う
2 正確な輸液管理を行う
3 医師の指示により利尿剤を与薬する
#4発熱による不感蒸発増加に関連した脱水の可能性がある
目標:必要な水分補給を受けることが出来、脱水症状が見られない
O-P
1 バイタルサイン
2 皮膚の乾燥の程度、大泉門の状態
3 体重増減
4 水分出納
5 尿比重、尿テープチェック:1回/勤務帯
6 検査データ:Ht、電解質値
T-P
1 輸液管理を行う
2 胃チューブを挿入し、ミルクは胃チューブより注入する
3 水分・塩分喪失の防止と、皮膚・粘膜の保護を行う
a 環境:保育器温度、加湿
4 体重測定を行う:1回/1日
#5検査、治療目的にて腰椎穿刺が施行されることに関連した感染の可能性がある
目標:穿刺時は清潔野が保持され、穿刺後も穿刺部の清潔が12時間以上保たれる
O-P
1 バイタルサイン:特に体重
2 穿刺部の皮膚の状態:発赤、腫脹、髄液の漏出
3 髄液の性状:色調、髄液検査
T-P
1 穿刺時は清潔操作とする
2 穿刺後2時間は水平位で臥床安静、絶飲食とする
3 穿刺部の皮膚ケアは穿刺後12時間以上ガーゼを貼付する
4 穿刺後の授乳は医師の指示にて施行する
#6抗痙攣薬使用に関連した副作用出現の可能性がある
目標:正確に薬が与薬され副作用出現時には適切な対応が受けられる
O-P
1 バイタルサイン:低血圧、無呼吸の有無
2 神経症状、傾眠
3 胃内容物の量、性状
4 尿テープチェック、蛋白尿に注意
5 皮膚の状態、発赤、腫脹、壊死(筋肉内注射による与薬の場合)
6 検査データ:血中濃度、血性ALP、Ca、P、NH3
T-P
1 モニターを装着する
2 医師の指示により確実な与薬を行う