橋本病(甲状腺機能低下症)の看護計画
#1入院時ホルモンの検査が多いために戸惑う
目標:検査の内容を理解でき不明な点を質問できる
O-P
1 患者の言動、行動、活動性
2 患者が不明と思っている点
T-P
1 畜尿を開始する
2 検査内容を十分説明する。している時は付いて行う
3 検体は確実に採取する
4 検査の為、ヨード制限食を1週間前より摂取する場合があるため説明する
E-P
1 尿は捨てないですべてためるように指導する
#2甲状腺機能低下の為低体温と皮膚症状がある
目標:皮膚の乾燥もなく傷もない
O-P
1 検査データ:血中甲状腺ホルモン、血中TSH、甲状腺エコー、ヨード摂取率
2 皮膚の状態:乾燥、発汗減少の有無、肥厚、圧痕が残らない、浮腫、損傷の有無
3 甲状腺の肥大の程度
4 VS:特に低体温
T-P
1 乾燥する為オリーブオイルなどで保護する
2 圧迫、汚染、外傷を防ぐ:環境整備時ベッドの周辺の整理
3 身体の保清に努める:石鹸は脂分を摂りすぎる為沐浴剤を使用
4 室温の調節をする
5 靴下、湯たんぽを使用する
E-P
1 皮膚を保護するため適宜クリームを塗布するように説明する
#3甲状腺機能低下による精神症状がある
目標:ADLが自立でき日常生活に支障がない
O-P
1 検査データ:血中甲状腺ホルモン、血中TSH、脳波
2 倦怠感、疲労感の有無と程度
3 筋肉痛、筋力低下の有無、程度
4 知覚異常
5 緩慢な動作や言語
6 睡眠状態
T-P
1 根気よく可能な限り日常生活動作を自立させるよう働きかける
2 精神的な訴えが少ないため苦痛や苦悩を察して援助を行う
3 環境整備をする
4 医師と安静度を検討の上自立させる
5 嗜眠傾向にある場合は目を離さないよう観察をし、危険防止に努める
#4甲状腺機能低下の為食欲不振が強い
目標:栄養状態の低下がなく浮腫がなく体重が安定する
O-P
1 検査データ:血中甲状腺ホルモン、血中TSH
2 食事摂取量
3 嗜好
4 飲水量、排便、睡眠状態
T-P
1 消化の良い高カロリーのものを与える
2 冷めたものは電子レンジで温める
3 食べやすい大きさにする
4 食欲をそそるような調味料の工夫
5 不眠、便秘は食欲低下の原因となるためコントロールする
6 口腔内の保清
#5甲状腺機能低下の為便秘である
目標:排便のコントロールができる
O-P
1 検査データ:血中甲状腺ホルモン、血中TSH
2 排便の状態、便の性状
T-P
1 排便コントロール
2 食事の注意
a 過食小食を避ける:決まった時間に食事をする
b 脂肪性食品を多めにとる
c 早朝空腹時に冷水を飲む:決まった時間にトイレへ行く
d 野菜や果物を十分に与える
e ビタミンB1を十分与える
3 食事量を考慮し下剤などで定期的に排便を促す
E-P
1 腹部マッサージの指導
2 安静度により適度の運動を指導する
#6治療初期少量の甲状腺剤内服でも甲状腺機能亢進症状がでやすい
目標:甲状腺剤の副作用、必要性が分かり自己管理できる
O-P
1 VS
2 甲状腺亢進症状の有無:頻脈、心悸亢進、不整脈、発汗、体重減少
3 血中甲状腺ホルモン:T3、T4、FT3、FT4、TSH
4 狭心症症状:胸痛、胸部圧迫感、動悸
5 副腎皮質不全の有無:傾眠傾向、発熱、嘔吐、全身皮下出血、チアノーゼ
T-P
1 甲状腺機能亢進症患者の看護に準ずる
E-P
1 長期あるいは生涯服用する必要があるため、薬は自己判断で中止しないように説明する
#7粘液水腫が憎悪して全身状態が悪化する
目標:腹部膨満感がなく安楽な呼吸ができる
O-P
1 VS:徐脈、低血圧
2 胸部症状:部位、程度、呼吸との関係、呼吸困難、動悸、チアノーゼ
3 胸部レントゲン
4 腹部症状:腹部膨満感、痛みの有無、程度、体重、排便との関係、吐き気、嘔吐、腹囲
5 浮腫の有無:尿量との関係、部位
6 血液ガスデータ
7 血中電解質:低ナトリウム血症の有無
8 血糖値:低血糖の有無
9 意識障害の有無
10 検査データ:血中甲状腺ホルモン
T-P
1 胸腹部の温湿布
2 呼吸困難次ベッド挙上
3 寝具寝衣による圧迫を避ける
4 胸痛時患側を下にする
5 水分塩分の制限:医師指示により量を決定
6 食事:高カロリー、高たんぱく、高脂肪、ガス発生の多い食品は避ける
7 排便コントロール
8 ADL介助
9 胸腔穿刺、腹腔穿刺、心嚢穿刺による感染に注意する
10 保温に努める
11 血圧低下時ショック体位
12 徐脈時はモニタ装着し異常を早期に発見する
13 補液はCVP、尿量を見て医師が決定する
14 T3製剤、副腎皮質ホルモン与薬時は確実に与薬する
#8長期に甲状腺ホルモン剤を内服する必要がある
目標:薬の必要性を理解し確実に内服できる
O-P
1 患者の理解度
2 不安と思っている点
T-P
1 医師と相談し安静度の決定を行い、治療方針を把握しておく
E-P
1 退院指導
a 定期的受診
b 甲状腺ホルモン剤を確実に服薬する
c 保温に留意する:靴下、湯たんぽの使用
d 急激な温度変化を避ける
e 疲労を避け徐々に身体を慣らしていく
f 患者の理解度が悪い場合は家族に指導する