疾患別看護計画:関節リウマチ

関節リウマチの看護計画

#副作用出現の可能性がある

関連因子
薬物療法

患者目標
副作用 合併症の症状発現を管理し、最小限に抑えることができる

O-P
1. 全身状態(倦怠感悪心・嘔吐・胃痛等)
2. バイタルサイン
3皮膚状態発疹・皮下出血・口内炎等)
4. 検査データ 《肝機能・腎機能・白血球・ 赤血球ヘモグロビン等)
5. 食事摂取量飲水量
6. 尿量及び排便の有無
7. 薬物療法の内容/効果
8. 副作用や合併症についての説明後の反応及び理解度
T-P
1. 副作用出現時には速やかに医師に報告する
2. 医師の指示に従い迅速に対処する
3. 再燃や不可逆的な副作用に対しては、患者の気持ちに配慮する
E-P
1. 副作用・合併症の初期症状の知識・ 感染予防方法について説明する
2. 可逆的な副作用の場合は、症状が薬によるものであることを説明し、中止すれば消失することを説明する
3. 食事がとれない時や災害等で薬が入手できない時等、離脱症候群や免疫低下を防ぐために取るべき対応について確認しておく

#安楽を保持できない可能性がある

関連因子
関節痛
こわばり
変形
拘縮

患者目標
症状が緩和され安楽が保持できる

1.症状の出現部位・程度・ 出現時間 出現の様子・ 持続時間 症状の強さの変化・運動時痛が安静時痛か
2.腫脹の出現部位・程度・熱感の有無
3.変形・拘縮の有無と程度
4.骨粗鬆症・大腿骨壊死・圧迫骨折の有無と程度
5.皮下結節の有無・部位
6.関節可動域の変動・筋力低下の有無・日常生活動作制限の程度
7.バイタルサイン
8.検査データ(CRP 赤白血球・リイマトイド因子等)
9. 薬物療法の内容
10. 活動と休息のバランス
11. 睡眠の量と質
12. 表情 言動
T-P
1.痛部位の冷罨法を行う
2.疼痛部位の温罨法を行う
3.室温を調整し保温に努める
4.医師の指示に基づき鎮痛薬・ 湿布等を投与または使用する
5.安楽な体位や姿勢を工夫する
6.関節保護や固定 (サポーター・包帯をする
7.マサージや深呼吸を促す
8.炎症反応の強い時期は安静を保持する
9.必要時、自助具を使用する
10. 必要な日常生活動作を介助する
11. 安定期はできる限り自己で日常生活動作を行う
12.安定期はリウマチ体操を促がす
E-P
1. 疼痛の緩和方法、疼痛を引き起こさない方法について確認する
2.転倒や外傷の予防について説明する
3.標準体重の維持について説明する
4.痛みを我慢しないように説明する
5. 痛みや薬に関して適切な知識をもっているか確認する

#十分な休息 睡眠がとれない可能性がある

関連因子
関節痛
こわばり
変形
拘縮

患者目標
十分な休息・睡眠がとれる

O-P
1.疲労感、倦怠感
2.疼痛・こわばり・変形・拘縮の有無と程度
3.睡眠状況
4.バイタルサイン
5.日常生活動作活動量
6.焦りや不安等の心理的な面
T-P
1.疼痛部位の冷罨法を行う
2.部位の温罨法を行う
3.室温を調整し保温に努める
4.医師の指示に基づき薬湿布等を投与または使用する
5.安眠できる環境を 整える
6.安楽な体位や姿勢を工来する
7.睡眠薬の使用について医師と相談し、指示に基づき投与する
E-P
1.量と質ともに充足した休息の重要性を説明する。
2.バランスのとれた食事をとるよう説明する <蛋白質・鉄分・ビタミンCが不足しないように
3.翌日に疲れが残らない程度の運動を勧める 運動の2倍の安静時間を確保)

#日常生活動作に介助が必要である

関節痛
こわばり
変形
拘縮

患者目標
必要な介助が受けられる

1.疼痛・関節可動域・ 筋力・こわばり・変形・拘縮の有無と程度
2.活動状況や日常生活動作の状況
3.ステロイド薬の副作用による圧迫骨折や骨頭壊死の有無
T-P
1. 理学療法士等と連携し、 薬物療法と並行して各段階に応じたリハビリテーションを行う
2.活動能力に応じて、 補助具や自助具を使用する
3.必要な日常生活動作を介助する
E-P
1. 緩慢な動作であっても見守り、家族にも同じ対応をするよう説明する
2.廃用性変化や骨粗鬆症予防の必要性の認識を確認する
3.安全で安楽な方法を患者と共に検討し、 実践するよう指導する

#転倒・転落の危険性がある

関連因子
関節痛
こわばり
变形
拘縮

患者目標
転倒・転落しない

O-P
1.疼痛 関節可動域・筋力・こわばり・変形・拘縮の有無と程度
2.日常生活の状況
3.環境
4.骨粗鬆症の有無と程度
5.あせり・不安・遠慮の有無
T-P
1.ベッドの高さを低めにし、ベッド柵や周囲の障害物の有無を確認する
2.必要に応じて補助具を使用する
3.症状が強い場合は、 移乗や移動等状況に応じて介助する
4.行動範囲を決める
5.症状の強い時間を避け活動する
E-P
1.起こりやすい事故と場面、 その対策について患者及び家族に説明する
2.骨粗鬆症予防の食事メニューを指導する
3.安全な日常生活動作の重要性の認識を確認し練習する
4.必要時は遠慮せず介助の手を借りるよう説明する

#ボディイメージが混乱する可能性がある

関連因子
変形
拘縮
ステロイドの副作用

患者目標
障害を理解し肯定的な言動がみられる

O-P
1.変形 拘縮の有無と程度
2.ステロイド薬の副作用 (満月用顔貌にきび・肥満等) の有無と程度
3.ボディイメージの障害による意欲低下や活動量の減少
T-P
1.患者が自分の長所を見つけるよう援助する
2.患者の状態について肯定的な変化を伝える
E-P
1.薬による一時的な副作用の場合、薬を使用しなくなれば消失することを説明し副作用症状の対策を共に検討する

#適切で安全な治療が継続されない可能性がある

関連因子
疾患や治療の知識不足

患者目標
疾患や治療について適切に理解し確実な治療を継続することができる

O-P
1.病状・進行の程度
2.疾患や治療に対する受け止めや理解度
3.服薬の状況 (中断・調節の有無)
4.治療内容と効果
5.社会的背景
T-P
1.医師の指示のもと、正確に与薬する
E-P
1.過剰な不安を抱いている場合や知識不足の場合は、その内容を明らかにし繰り返し丁寧に説明する
2.確実に服薬するように指導する

#今後の予後や経過に対して不安となる可能性がある

関連因子
不安

患者目標
医療者に相談することで不安が軽減し心身ともに安定する

O-P
1.患者及び家族の不安に関する表出内容
2.疾患治療に対する理解度
3.表情
4.家族の受け入れ体制
5.身体的状況の変化
6.日常生活動作制限の程度
7.経済状況
T-P
1.患者の訴えを傾聴し、対処方法を検討する|
2.周囲の力や社会資源等を活用する
E-P
1.心理状態が身体症状や疾患を増悪させることや心理状態を安寧に保つことの重要性を説明し、自発的にコントロールしていけるよう促す
2.患者・家族に不安な点や困っていること等について、 医療者に相談するよう伝える
3.すぐにあきらめず、 可能なことから始めてみるように促す

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