小児の口唇裂の看護計画
#1外表奇形に関連したショックが強く、両親が患児を受け入れるのに時間がかかる
目標:人目を避けようとする行動が見られない
O-P
1 両親の患児の受け入れ状態:患児への言葉かけ、看護師に対する発言
2 家庭の中での母親の立場
3 母親の疾患の受け止め方
T-P
1 母親の出産から現在に至るまでの心の負担について話せるような場づくりをし、聞く態度で接する
2 きれいになったケースを話し励ます
#2口腔内圧の上昇が不十分なために経口摂取が進まない可能性がある
目標:状態にあった方法が考えられ、経口哺乳ができるようになる
O-P
1 唇裂の状態
2 哺乳状態:1回哺乳量、哺乳時間
3 体重増減
T-P
1 特殊乳首を使用する
2 看護師が実施し母親が見学する:感じが飲めるようになったら母親が実施し、母親が理解できるまで看護師はそばについている
3 経口摂取が困難な場合は、主治医の指示により経管栄養を行う
4 空気を嚥下しやすいため十分排気をさせる
EーP(教育)
1 母親への栄養摂取方法の指導を行う、経口哺乳の必要性及び哺乳方法、経管栄養の方法
#3スポイド哺乳に変更する為、母親患児が慣れるのに日数がかかる
目標:スポイド哺乳で必要量が摂取できる
O-P
1 スポイド哺乳の慣れ具合:1回哺乳量、1日哺乳量、1回哺乳時間
2 母親の精神状態
T-P
1 水分バランスにチェックを行う
2 外来においてパンフレットを渡している為、スポイド哺乳の状況を確認する
3 スポイド哺乳に母親、患児がなれない場合は練習を兼ねてはやめに入院する
4 早めに入院した場合は下記のスケジュールで行う、看護師が実施、母親が見学、患児が飲めるようになったら母親が実施、母親が理解できるまで看護師はそばについている
EーP(教育)
1 スポイド哺乳の必要性について説明する
2 患児の必要哺乳量について説明する
#4唇裂部位が乾燥して不潔になるため、傷つけ乾燥する可能性がある
目標:清潔に保たれる
O-P
1 唇裂部位の状態:乾燥の有無、汚染の有無、傷の有無
T-P
1 湿らせて乾燥を防ぐ
2 汚染されている時は綿棒で除去する
EーP(教育)
1 母親に感染防止について指導する、汚染時の処置方法について、手で傷つめないよう爪は短く切っておく
#5育児について母親の強い不安がある
目標:母親がリラックスして自信を持って育児ができる
O-P
1 母親の言動、表情、行動
2 不安の内容
T-P
1 母親が不安に思っている内容について情報を得る
2 母親にできるだけ患児のケアを行ってもらう
3 付き添いをしていない場合は、面会時に哺乳などのケアを行ってもらう
EーP(教育)
1 母親の育児指導を行う、経口哺乳の方法について、排気の方法について、形成外科の受診及び手術までの注意事項について
#6喉頭浮腫や創出血のために気道の閉塞を起こし、呼吸困難に陥る可能性がある
目標:安楽な呼吸のできる体位が取れる
O-P
1 創部の出血の状態
2 分泌物の量
3 呼吸状態:呼吸数、呼吸音、嗄声の有無
4 チアノーゼの有無
5 バイタルサイン
T-P
1 仰臥位時は肩枕を使用する
2 就寝時は誤嚥予防の為、側臥位または腹臥位とする
3 異常呼吸があれば直ちに主治医に報告する
EーP(教育)
1 嘔吐時の対処方法について説明する
#7指しゃぶりや、打撲、激しい啼泣のため、創出血や離開が起きる
目標:創部の安定が保てる
O-P
1 創部の状態:出血の有無、離開の有無
2 患児の行動:指しゃぶりの有無、機嫌
3 肘関節の抑制状態
T-P
1 ベッド上を整理整頓する:危険物の除去
2 術前に両肘関節の抑制用のシーネを準備する
3 手術終了と同時に肘関節を抑制する為、手術室へ持参する
4 激しく啼泣する場合は介抱したり、おもちゃを利用してあやす
5 年長時の場合は創部の安静を保てない行動をとっていたら、厳しく注意する
EーP(教育)
1 肘関節の抑制の必要性を説明する
2 創部の安静を保たなければいけない理由を説明する