疾患別看護計画:アルコール依存症

アルコール依存症の看護計画

#1アルコール離脱症状に伴う振戦、せん妄、幻覚症状が見られ患者の安全が保たれない可能性がある

目標:アルコール離脱症状が早期に発見され安全が保たれる
O-P
1 発汗、発熱の有無
2 振戦の有無と程度
3 焦燥、せん妄の有無
4 失見当識、意識混濁の有無と程度
5 運動失調状態の有無と程度
6 散瞳の有無と程度
7 異常行動の有無
8 悪心、嘔吐、食欲不振の有無
9 バイタルサイン:特に頻脈の有無と血圧上昇
10 水分と電解質のチェク
11 頭痛の有無
12 幻覚の有無と程度
13 睡眠障害
T-P
1 危険物の除去など環境を整え、自傷行為を防止する
2 発汗が多いため行為を頻回に行う
3 排泄の回数に注意し排泄を促す
4 不穏行動や振戦が強くなれば医師の指示にて抑制を行う
5 幻覚がある時は無視や蛇などが実際にいないことを保証する
6 医師の指示により薬剤の投与を正確に行う
7 患者への説明を十分に行い処置を行う
8 患者の訴えを非難せず受け入れる
E-P
1 飲酒による身体への影響や十分な身体管理の必要性を説明する

#2アルコール多飲による内臓疾患を合併している

目標:身体症状の出現時、早期に治療を受けることが出来る
O-P
1 肝不全、肝硬変、膵炎、消化管出血、食道静脈瘤、腎不全、腹水、脱水などを疑い、全身状態の観察を行う。バイタルサイン。血液データ:電解質のバランス、血糖値、栄養状態。胸部X線、CTなど諸検査の結果。心悸亢進、動悸の有無。胃部不快、胃痛の有無と食事の関係。手指振戦の有無。顔色、皮膚(クモ状血管腫、脱水)の状態。便色、尿量。腹部膨満、四肢の浮腫
T-P
1 患者からの身体症状についての訴えを十分に聞く
2 検査が確実に受けられるようオリエンテーションし介助を行う
3 医師の指示により与薬を行い、確実に服薬できるように援助する
E-P
1 不調を感じた時には報告するように説明する

#3飲酒の問題について自己洞察できないため再発の可能性が高く、社会復帰が困難である

目標:多飲の原因についての洞察、飲酒の弊害についての理解が出来治療計画に同意ができる
O-P
1 飲酒の引き金の有無。仕事:失業、仕事でのトラブル。家庭:離婚、家庭不和。他:借金、子供のトラブルなど
2 協力者やサポートシステムの有無
3 看護師や医師との対応の仕方、コーピング方法
4 家族や友人の面会状況
5 心理テスト
T-P
1 多種の不安を表出できるようコミュニケーションを図る
2 外出外泊前後の患者の言動、行動を十分に観察し荷物チェックを行う
3 医師の指示のより抗酒剤の与薬を確実に行う
4 必ず回復するが再発の危険性も高いことを充分患者に理解してもらう
5 患者が自身の問題と行動との関係を理解できるように導く
6 患者が問題を合理化したり、自分の思い通りにならない他者や状況のせいにするのを認めない
7  ストレスや困難な状況を処理する代替え方法を見つけるよう促す
8 過去の罪責感にこだわらず現在の状況に焦点を当てる
9 患者が退院後に体験するかもしれない感情を話題にし、その感情をどう扱うのか話し合う
E-P
1 アルコール多飲による身体的な障害について説明する
2 入院中ルールを守り規則正しい生活を送るよう指導する
3 外出外泊については家族と同席でオリエンテーションを行う
4 退院後の生活と社会資源(保険所、精神保健福祉センター、断酒会、家族会)について医師と共に家族を含めて説明する

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