疾患別看護計画:解離性障害

解離性障害の看護計画

#1多種多様な解離症状により周囲を振り回すため、人間関係に摩擦が生じやすい

目標:解離症状を伝える事で早めの対処を受け、症状の軽減につなげる
O-P
1 解離症状,運動麻痺:失声、失立、失歩。感覚障害:視野狭窄、失明、聴覚障害。意識障害:せん妄、もうろう状態、昏迷状態、認知症様症状など
2 その他。各症状の程度、持続時間、発生場所、症状出現前の患者の言動、ADL障害の程度、患者の困惑の程度。バイタルサイン。各種検査データ、血液、EEG、心電図、CT、X線
T-P
1 十分観察を行い各種症状の経過について把握する
2 医師に相談し患者への援助方法を統一する
3 患者の方法をきちんと把握し丁寧に答える
4 解離症状が出ている時はそっと見守り、症状が出現していない時に十分にかかわる
E-P
1 家族に病気の本質について理解を促し、適切な距離の取り方について説明する
2 自分の気持ちを言葉で表現するように指導する

#2被害妄想や幻聴などの異常体験、かい離により、衝動的に自傷行為を起こす可能性がある

目標:症状・疾患を理解することで自傷の可能性がなくなる
O-P
1 不眠、不安、不機嫌等の前駆症状
2 希死念慮の有無、程度
3 日常生活行動、態度、話し方、表情などの変化
4 自傷行為の既往の有無
5 異常体験(幻聴、妄想)の有無
6 夜間の睡眠状態
T-P
1 患者との良い人間関係を築き、患者自らの悩みを訴えられる関係をつくる
2 些細な言動に注意する
3 危険物の取扱についての注意。身辺の整理整頓をしながら所持品の危険性の有無を確かめる。ベルト、コード等の紐類で禁止の場合は家人に持って帰ってもらう、またはナースステーション管理とする。針ハサミ、缶切り、刃物、爪切りなどの使用時は代行、又は看護師付き添いで行い目を離さない
4 院内フリーの患者は帰棟時、持ち物の点検をする
5 衝動的に離院をする時もあるので所在把握に努める
6 自傷行為が見られ負傷した時には、適切な処置など医師の指示により行う
E-P
1 症状出現時には我慢しすぎずに医療者へ報告するように指導する

#3現実の問題に直面すると解離症状が多く出現する

目標:患者本人が解離症状が自己の内的問題からくるものであることを理解できる
O-P
1 解離の誘因となる原因の有無について家族から情報収集する。家庭内問題:夫婦間、子供や両親との間など。社会的問題:就職、借金、近所間のトラブル
2 解離症状を起こす前の患者の言動
3 心理検査
T-P
1 患者の持っている問題について把握し、医療者に相談できるようコミュニケーションを保つ
2 患者が自己表現しやすい環境をつくる
3 医師の指導の下で患者に少しづつ、身体症状は心理的背景のあることを理解してもらうように援助する
4 現実の問題に直面できるレベルまで洞察を深める
E-P
1 自分の気持ちや直面している困難を意識化し、言語的に表現するよう指導する
2 患者自身に症状に対する対処方法を考えるように指導する

#4自立、退院への不安があり容易に解離症状が再燃しやすい

目標:自立への自信が持て社会復帰出来る
O-P
1 試験外泊前後の患者の状態
2 退院決定後の患者の状態
T-P
1 病院のスケジュールに沿った規則正しい生活が送れるよう援助する
2 入院時と退院時の社会復帰の相違について家人より情報を十分得て、誘因となる問題の悪化がないようにし、家族と意思で退院の時期を決定する
E-P
1 患者家族に外泊、退院指導をする

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