疾患別看護計画:一過性脳虚血発作(TIA)

疾患別看護計画

一過性脳虚血発作(TIA)の看護計画

#1脳虚血に起因する種々の神経症状が持続することにより苦痛と不安がある

目標
TIA、RINDの発作を知り状況の把握が出来治療が受けられる

O-P
1.バイタルサイン
2.麻痺の程度の観察(上下肢バレーサイン、第5手指徴候指折り
、握力、運動優劣)
3.知覚障害(痺れ感、感覚消失、触覚、痛覚、温度覚)
4.言語障害
5.構音障害
6.視力障害(一過性単眼性視力障害又は視力の減退、失明、同名半盲、複視)
7.運動障害(回転性の眩暈、回転性の眩暈を伴わない運動失調、平衡障害、測定障害(ジスメトリ)、変換運動不能)
8.発作持続時間、発作症状
9.不安、不穏状態の有無
10.基礎疾患の把握:高血圧、動脈硬化、心疾患
11.検査データの把握:CT、CBC
12.種々の神経症状の回復状況の観察
T-P
1.VSチェックを頻回に行う:血圧の変動に注意する
2.言語障害の程度を確認する
話し方(言葉遣いを忘れていないか
保続(次の言葉が出るまで一つの言葉を繰り返す)
錯誤(一つの文字の読み違い)
喚語(日常用いる物品やその絵を見せてなんであるかを問う)
言語復唱(言った言語を復唱させる)
言語了解(命令に正確に応じるかどうか)
読字(文字を読ませる)
習字(住所氏名を書かせる)
3.構音障害の程度を確認する
パ行を言わせる
ラ行を言わせる
4.発作時の症状や発作持続時間の観察を行い、症状が増悪したり発作時間が24時間以上となる場合は直ちに医師に報告する
5.発作による不安が強いため患者の話を良く聴く
6.発作時は床上安静とする
7.CT、血管造影など種々の検査が行われるため十分な説明を行い不安を除去する
8.失語の患者に対しては「ハイ」、「イイエ」で表現できるような質問形式をとる
9.血管確保を行う場合は介助する
10.正確な薬剤、内服薬の与薬
11.安静の必要時には身体の保清を行う:清拭、石鹸清拭、陰部洗浄、足浴、手浴
E-P
1.現在置かれている状況を納得できるように説明する
2.発作時、発作の前駆症状出現時には直ちにナースコールするように説明する

#2発作の持続時間延長や麻痺の状態によって、ADLの障害が変化する

目標:ADLの拡大が図れ日常生活に支障をきたさない

O-P
1.麻痺の程度を知り必要なADLの確認を行う
T-P
1.必要なADLの介助を行う
-食事介助及び患者の食べやすい位置に食器を並べたり、スプーン箸を手渡す
-床上安静時には床上排泄の介助、ポータブルトイレ使用時にはベッドの昇降介助
-清潔:モーニング、イヴニングケア、清拭、石鹸清拭、陰部洗浄、足浴、洗髪を行う
E-P
1.安静度許容内でできる範囲のことは自分で行うように説明する

#3脳梗塞を起こす頻度が高く薬物治療や食事療法を続ける必要がある

目標:リスクファクターを知り日常生活をコントロールすることが出来再発作を起こさない

O-P
1.内服薬を正確に内服しているか確認する
2.治療や食事療法についての知識の確認
3.リスクファクターを知る
4.検査データの把握
E-P
1.薬の副作用を説明し病状安定、患者の理解が出来た後、内服薬を自己管理とする
2.食事療法について説明する
3.日常生活において夜間のトイレや入浴時の温度差に注意する

タイトルとURLをコピーしました