疾患別看護計画:慢性白血病

慢性白血病の看護計画

#1疾患に対して不安がある

目標:闘病意欲が持つことが出来、入院生活を快適に過ごすことが出来る
O-P
1 表情、言動、不安に思っている点
2 医師のムンテラ内容
3 病名、検査の受け止め方、理解度
T-P
1 医師の説明を把握し、内容の統一を図る
2 家族の話を聴き、患者の不安を引き出す
3 頻回に訪室しコミュニケーションを十分にとる
4 信頼関係を保ち患者の話を十分に聞く
5 医師が病名について説明した後、理解度に応じて不明瞭な点を再度補足する
6 患者の社会的背景を知り、患者に合ったレベルで対応する

#2肝・脾臓による腹部膨満感、圧迫感がある

目標:圧迫に伴う苦痛が軽減し、食事が十分に摂取できる
O-P
1 バイタルサイン
2 検査データ:血液像、凝固因子の低下、好中球減少、GOT、GPT、TBil
3 黄染の有無
4 貧血の有無
5 リンパ節腫大の有無
6 急激な腹痛の有無
7 圧迫症状
8 腹囲、体重の変動(定期的測定)
9 食事摂取量
T-P
1 セミファーラー位、側臥位にし腹部の緊張を緩める
2 危険物を除去し転倒の予防をする
3 衣類、寝衣類を選択し圧迫を避ける
4 脾腫が著明となりADL困難な時はADLの介助を行う
5 消化の良い食事に変更する
6 栄養状態不良時は医師の指示で補液を行い管理する
7 好中球低下時は皮膚、口腔粘膜、肛門、陰部の清潔を図り、清拭、うがい、陰部洗浄を行う
E-P
1 以下の指導を行う
a 指示された安静度を守る
b 無理な体位、体動を避ける
c 局部の安静を行い重いものを持たない
d カロリーの高い、消化の良いものを分割して摂取する

#3表在性リンパ節腫脹のため疾患に対する不安がある

目標:ムンテラ内容が納得でき、闘病意欲がわく
O-P
1 言動、表情
2 理解度、病識
3 社会的背景
4 入院にたいする受け止め方
5 精神状態
6 リンパ節腫脹の部位、大きさ、硬さ、可動性、疼痛
7 肝、脾腫
8 黄疸
9 呼吸、胃腸、皮膚症状
T-P
1 医師が疾患に対する説明を行い、不明な点は看護師が再度説明し補足する
2 看護師間で説明内容を統一する
3 コミュニケーションを図り信頼関係をつくる

#4ブスルファン内服による胃腸障害と呼吸器症状がある

目標:吐気がなく食事が食べられ呼吸が楽である
O-P
1 食事摂取量
2 吐気、嘔吐の有無
3 吐物の性状
4 水分バランス
5 腹部症状
6 吃逆
7 咳、痰など呼吸器症状の有無
8 レントゲン所見
9 血液ガス
T-P
1 嗜好に合わせて少量づつでも栄養価の高い食品を摂取させる
2 食事時間を制限せず、希望した時間に電子レンジで再加熱して用意をする
3 吐気時には医師の指示で制吐剤を使用する
4 呼吸器症状出現時は安静にして医師の指示を得る

#5インターフェロン療法による副作用が出現しやすい

目標:副作用の早期発見が出来対処できる
O-P
1 バイタルサイン:放射線治療期間と発熱パターンの観察
2 消化器症状の出現:食欲不振、悪心、嘔吐、下痢など食事摂取量
3 脱毛(経度に出現)
4 肝機能データ:GOT、GPT、ALP、LDH
5 全身倦怠感、関節痛
T-P
1 発熱は殆どの場合出現する為指示にて解熱剤(内服、座薬)を使用し、内服薬と発熱の関係を観察する。希望時は冷罨法を行う
2 食欲不振、全身倦怠感著明時は、医師の指示で補液を行う
3 脱毛時はキャップ使用
4 肝機能障害時の看護に準じる
5 一過性の精神症状出現時は身辺の安全に注意する。症状によっては医師の指示のもと内服薬の使用、またはインターフェロン中止とする
E-P
1 発熱に関しては自己管理の必要性と薬の使用の説明を行う。皮下注射後の発熱パターンを知り、自己管理できるように指導する
2 精神症状は一過性であることを説明する
3 自己注射指導(糖尿病のインスリン自己注射に準ずる)

#6血小板減少により出血傾向が強い

目標:血小板減少時の注意点が理解でき、出血しないように自己管理ができる
O-P
1 状態、バイタルサイン
2 検査データ:血小板数、出血時間、凝固時間
3 症状:頭痛、眩暈、血痰、タール便、血尿、鼻出血、歯肉出血、点状出血班、粘膜出血、性器出血、視力障害、消化器症状など
T-P
1 身体の一部に強い圧迫を加えない。マンシェット、特に駆血帯は衣類又はタオルを巻いた上から縛り、短時間で済ませる
2 清拭、洗髪時は強くこすらず、清拭剤は刺激の少ないものを使用する
3 筋肉注射、皮下注射は血腫による腫脹、疼痛を起こしやすいので避ける。止むを得ず行う場合はできるだけ細い針を使用し、止血するまで軽く圧迫しマッサージは避ける
4 糊のきいた寝衣やシーツの皺なども皮下出血の原因になるので、柔かいものを用いる
5 環境整備:危険物の除去をする
6 排便コントロール:便秘にさせない、軟便くらいが良い
E-P
1 日常生活指導を行う
a 歯磨きの指導:豚毛で1本づつ磨くまたは水歯磨き使用
b 鼻出血防止の為、鼻は強くかまない
c 下着は綿製品でやわらかくゆったりしたものを着る
d 寝具の皺に注意する
e 入浴、清拭時は皮膚を強くこすらない
f 肛門のケア:傷をつけない、便秘に注意し清潔を保つ
g 長時間の立位をとると、下肢に皮下出血を起こしやすいので避ける
h 安静強化による患者の不安を増加させないように、安静の必要性を十分に説明する

#7貧血の為動悸、ふらつき等の症状がある

目標:危険防止が出来安静保持ができる
O-P
1 検査データ:RBC、Hb、Ht、骨髄像
2 バイタルサイン:T、P、BP
3 顔色
4 眼瞼粘膜、口腔粘膜、爪の状態、爪床色の変化
5 倦怠感、眩暈、息切れ、ふらつき、頭重感、四肢冷感、耳鳴り、舌炎、口角炎、頭痛、動悸の有無と程度
T-P
1 患者の状態に応じ身辺の援助を行う:配膳、下膳、清拭など
2 組織細胞の栄養不良の為全身の新陳代謝が低下している為、保温に努める(室温の調整、靴下、足浴など)
3 失神発作時は衣服の緊迫をとり、誤嚥防止の為トレンデレンブルグ体位にする
4 不安を除去し心身の安静を保てるように配慮する
5 含嗽を行い、口腔内を清潔にし、口内炎歯肉炎の予防をする
6 舌炎、口角炎出現時、含嗽を励行し医師の指示にて薬剤の与薬を行う
7 食事変更
8 輸液施行時は管理を行い副作用の有無をチェックする
9 副作用出現時は、輸液を中止し医師の指示を受け対処する
E-P
1 立ちくらみ時の対処方法を指導する
2 運動制限の必要性を指導する

#8寛解退院後、外来治療の継続が必要であるが自己管理に問題がある

目標:治療の継続の必要性が納得でき自己管理ができる
O-P
1 理解度、家族の受け入れ
T-P
1 外来での継続治療の内容を把握しておく
2 主治医と相談し退院後の安静度を決定する
E-P
1 退院指導を行う
a 定期的に外来通院する
b 内服は確実に服用する
c 治療後1~2週間は特に感染を受けやすいことを説明し感染予防に努める
d 身体に異常のある場合には速やかに外来受診する
e 規則的な生活をし過労を避ける

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