乳がんの看護計画
#1治療に関する意思決定に葛藤がある
目標:治療について意思決定ができる。納得した治療を受けることが出来る
O-P
1 医師からの説明の受け止め方
2 疑問や確認したいことの有無
3 希望している治療方法とその理由
4 患者の持っている情報に不足や、間違いがないか
5 治療選択にあたっての葛藤の有無
6 冷静に考えられる心理状態であるか
T-P
1 不安や恐怖など、患者のありのままの心理を理解する
2 疑問や不安に思う事を自由に表出できる環境を整える
3 冷静に考えられる環境を整える
4 十分な休息・睡眠がとれるように援助する
5 患者が必要としている情報へのアクセスをサポートする
6 医師とのコミュニケーションをサポートする
7 十分考慮した上での患者の決定を支持する
E-P
1 患者が持っている情報に不足や、間違いがある場合には補足修正する
2 治療によりおこってくる支障について対処する方法をアドバイスする
3 場合によってはセカンドオピニオンを提案する
#2乳房切除の為にボディ・イメージが混乱している
目標:現実の自分を認められる。ありたい自分を取り戻すことが出来る
O-P
1 自分で決定した術式で、期待していた通りの手術だったか
2 手術前にイメージしていた状態と現実のギャップ
3 ありたい自分の姿、現在の自分、将来の自分の姿への思い
4 心理状態
5 家族やパートナーの受け止め方や希望・期待、不安
T-P
1 患者のありのままの心理を理解する
2 気持ちに折り合いをつけていくプロセスを支援する
3 思いを自由に表出できる環境を整える
4 仕事や好みで服装に支障ができる場合には、医師と相談し対処方法を考える
5 心理状態を見極めたうえで、創部をみたりセルフケアができるようにしていく
E-P
1 手術前に創部の部位や大きさを説明したり、補正用具や乳房再建術の情報提供を行う
2 乳房を切除したり女性ホルモンを抑えたからと言って、女性でなくなるわけではないことを説明する
3 性生活、妊娠、出産などの気がかりは、パートナーと共に相談を受けることを勧める
4 生活を制限する必要はなく、無理をしない範囲で徐々に復帰するように伝える
5 心理状態を見極めたうえで、できるだけ早い時期に患者会を紹介する
#3治療の副作用の為に身体的・精神的苦痛がある
目標:身体的・精神的苦痛が軽減する。日常生活を続けながら治療を受けられる
O-P
1 手術による副作用の有無
2 放射線療法の副作用の有無
3 ホルモン療法による副作用の有無
4 化学療法による副作用の有無
T-P
1 障害や副作用の程度、日常生活での支障など、患者の話を良く傾聴する
2 患者が頑張っていることを認める
3 対処方法があればアドバイスする
E-P
1 手術による副作用の対処を説明する
a 知覚異常は時間と共に軽減する
b 術後早期から上肢運動を行う必要がある
c 知覚障害や運動障害のある間は車の運転はしない
d 重い物を長時間持ち続けない、上肢を高めに維持する
e 傷をつけたり虫に刺されないように気を付けたり、注射や採血は避ける
f マッサージや上肢用スリープを装着する
2 放射線療法による副作用の対処を指導する
a ゆったりとした服装
b 入浴時に強くこすらない
c 皮膚乾燥対策
3 ホルモン療法による副作用の対処を指導する
4 化学療法による副作用の対処を指導する
a 制吐薬の服薬
b 積極的な水分摂取
c 食事摂取
d 骨髄抑制に対する感染予防
#4術後合併症の恐れがある
目標:術後合併症が起こらず順調に回復する。これからの治療や生活への自信につながるような手術体験になる
O-P
1 呼吸器系の合併症(呼吸抑制、無気肺)
a 呼吸数、呼吸パターン、呼吸音、SPO2、呼吸困難、チアノーゼ、痰の喀出状況と性状、量、創部痛
2 循環器系の合併症(出血、体液バランスの崩れ)
a バイタルサイン、出血量、性状、血液データ、チアノーゼ
3 創部痛の部位と程度
T-P
1 医師の指示を受け、酸素吸入を行う
2 深呼吸を促す
3 創部の状態を観察し、出血が無いことを確認する
4 ドレーンが挿入されている場合には、屈曲、閉塞などを起こさないようにする
5 医師の指示を受け、予防的鎮痛を図る
6 術後早期から体動を促す
7 初回歩行器には必ず付き添い、安全の確保と異常がないか確認を行う
E-P
1 セルフケアができるように指導する
2 家族やパートナー友人などの協力を依頼する