治療別看護計画:副腎摘出術

副腎摘出術の看護計画

#1カテコラミンの受容体刺激による末梢血管の収縮と末梢抵抗の増大により高血圧となる

目標:血圧が安定する
O-P
1 高血圧の型:持続型高血圧、発作型高血圧
2 高血圧に伴う症状:頭痛、発汗、動悸
3 発作時の症状の有無
4 検査データ:血中、尿中カテコラミン
5 遮断剤使用後の症状
T-P
1 バイタルサイン測定
2 交感神経遮断剤の使用
a 遮断薬:術前Ⅱ種間前より1㎎/日
b 2日目以後2,3日ごとに2mg/増量
3 高血圧発作時は二フェジピン舌下
4 眼科受診による眼底検査
5 早期に対処できるように、症状を前もって説明する
E-P
1 体位、感情的興奮、起床、入浴、食事などにより発作を誘発する恐れがあることを前もって説明する

#2カテコラミンの分泌過剰による痩せ、発汗が出現する

目標:体力の消耗が無く体力が維持できる
O-P
1 食事摂取量
2 体重の推移
3 脱水症状:皮膚状態、口渇、水分バランス、発汗
4 熱型
T-P
1 食事摂取量低下時は食べやすい食事に変更する
2 濃厚流動食の飲用
3 保清:清拭、寝衣交換を頻回に行う
4 発熱時指示により解熱剤の与薬
E-P
1 消化の良い高カロリーの食品をとるよう指導する
2 水分ビタミンを十分補給するよう指導する
3 体力の消耗を憎悪させる急激な運動や長時間の入浴などは避けるよう指導する

#3カテコラミンの分泌過剰により高血圧が出現する

目標:高血圧の自覚症状を知り、不安やストレスが軽減される
O-P
1 自覚症状
a 発作的:頭痛、発汗、動悸、顔面蒼白、悪心、振戦、腹痛
b 持続的:疲労感、胸痛、呼吸困難、神経質、不安感、眩暈、咽頭部狭窄感、目のかすみ
2 血圧
3 心電図
4 生活習慣:ストレス、仕事、運動量、排便、喫煙
5 検査データ
T-P
1 ストレス、不安の軽減に努める
E-P
1 運動、疲労、ストレス、温度差など
2 症状出現時報告するよう指導する
3 生活指導
a 便通を整える
b 規則正しい生活

#4カテコラミンを多量に産出、分泌することによりインスリンの分泌を抑制し血糖が上昇することがある

目標:血糖が安定し、安心して食事ができる
O-P
1 空腹時血糖、日内変動
2 高血糖症状の有無
3 尿糖、尿量
T-P
1 検査:空腹時血糖、ブドウ糖負荷試験、日内変動、血中インスリン反応
2 食事制限:糖尿病食
E-P
1 高血糖症状を説明する
2 血糖測定の必要性を説明する

#5副腎を摘出することにより、カテコラミンの生成が遮断されることにより、インスリンの分泌が一過性に増量する為低血糖症状を起こすことがある

目標:術後、循環動態が安定する
O-P
1 血圧の変動、下降
2 脈拍の性状、変動
3 自覚症状の有無
4 尿量
T-P
1 バイタルサイン:血圧、脈拍、尿量、排液量と性状
2 術直後よりステロイドホルモン剤の与薬:状態により徐々に減量
a 指示された量を指示された時間に与薬する
b 状態が安定すれば内服薬に変更する
3 事故防止
4 循環血液量が安定するまではベッド上安静とする
5 検査データ
E-P
1 確実に内服する必要性を説明する
2 安静の必要性を節慶する

#6ステロイドホルモン剤の量の不足や与薬時間の遅延等により、急性副腎機能不全を起こす可能性がある

目標:循環・消化器症状を起こさず経過する
O-P
1 症状の有無:吐気、嘔吐、下痢、眩暈、頭痛、しびれ感、倦怠感
2 バイタルサイン
3 水分出納
4 食事摂取量
T-P
1 消化器症状を伴う場合はステロイドホルモン剤は注射液とする
2 確実に指示された薬を指示された時間に予約する
3 輸液の管理
E-P
1 薬の必要性を説明し、決められた時間に確実に服薬するよう指導する

#7カテコラミンの生成が遮断されることにより、インスリンの分泌が一過性に増量する為低血糖症状を起こすことがある

目標:急激な低血糖症状が無い
O-P
1 血糖の変動
2 低血糖症状の有無
3 尿糖、尿量
T-P
1 血糖測定
2 高カロリー輸液でコントロールする
3 食事は3,4日目から開始する
E-P
1 低血糖症状について説明する
2 血糖測定の必要性を説明する

#8退院することに対して不安がある

目標:自信を持ち退院できる
E-P
1 ステロイドホルモン剤を服用する必要がある時は確実に服用することを説明する
2 仕事、運動は医師の指示のものに始めるように説明する
3 副腎機能不全症状をあらかじめ理解させ、異常時は受診するよう説明する
4 定期的に外来受診するよう指導する

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