疾患別看護計画: 腎不全

 腎不全の看護計画

#1浮腫や高血圧の為に体液量が過剰である

目標:体液過剰の危険因子であるナトリウムや水分の過剰摂取を制限できる

O-P
1 体重の増減
2 浮腫の部位と程度、皮膚のはりと潤いの程度
3 口渇の有無、口腔内の乾燥状態
4 血圧、脈拍の変動、頸静脈の怒張の有無
5 呼吸数、呼吸パターン、息切れの有無と程度、ラ音の有無
6 水分出納:尿量及び水分摂取量
7 食事摂取量
8 体液量過剰に関連した検査値:血液、生化学検査、腎機能検査、循環機能検査
T-P
1 毎日朝食前に同じ体重計での体重測定を行う
2 水分と塩分制限を続けるように励ます
3 塩分摂取を制限させる
4 飲水を制限させる
5 口渇を癒す
6 体位を工夫して安楽な体位を図る
7 浮腫がある部分の皮膚を傷つけないように注意する
8 浮腫がある部位を心臓より高くする
9 足浴、罨法、マッサージをして血液循環を良くする
10 皮膚の乾燥を予防する
a アルカリ性の石鹸の使用は避ける
b ローションクリームなど塗布する
E-P
1 自覚症状に注意を払うことを説明し協力を得る
2 血圧、体重測定、尿量、飲水量の自己モニタリングをする
3 水分塩分制限の必要性を説明する
4 衣服の跡が残らないくらいの緩めのものを着用するように説明する
5 疲労を感じない程度の軽い動きは可能であることを説明する
6 自己管理ノートに記録するように勧める

#2全身倦怠感や掻痒感の為に安楽の障害がある

目標:症状に伴う身体的苦痛及び心理的苦痛を緩和することが出来る
O-P
1 全身倦怠感、疲労感の有無と程度
2 食欲不振の程度、食事摂取量
3 吐気嘔吐の有無と程度
4 排便状態
5 動悸の有無と脈拍、心拍数
6 呼吸状態、呼吸回数、呼吸音
7 全身掻痒感の有無と程度
8 口渇の有無と程度
9 口臭の有無と程度
10 頭痛の有無と程度
11 出血傾向
12 不安の程度
13 検査データ
T-P
1 食事、入浴、清潔、排泄については必要に応じて援助する
2 活動の後はゆっくり休むように勧める
3 冷水での含嗽や口腔内のケアを進める
4 決められた食事時間に食べられない時は食事時間をずらしたり、少しずつ食事をとるように勧める
5 食べられるものについて話し合い、少しでも食べれるように励ます
6 塩分やカリウムに注意し、香辛料や味付けを工夫した食事の内容を栄養士と相談する
7 病室の環境を整える
8 指の爪を短くする
9 スキンケアを行う
10 通気性が良く吸湿性のある刺激の少ない衣類を着用するように勧める
E-P
1 掻痒の為に皮膚に擦過傷をつくらないように指導する
2 高カリウム血症を防ぐ為に、食欲不振時も果物などの摂取を控えるように指導する
3 検査値の確認の必要性を説明する
4 透析導入になれば身体症状は改善することを説明する
5 感情表現の重要性を説明する

#3透析療法によるライフスタイルや役割の変化に対して不安がある

目標:透析と共存する生活を受け入れていくことが出来る
O-P
1 不安の徴候
2 不安の程度
T-P
1 患者がリラックスして話ができる雰囲気をつくり不安や心配事を表出できるように関わる
2 患者の疑問や質問に誠意をもって答える
3 他の透析患者と話をできる環境をつくる
4 今までの活動レベルをできるだけ維持するように奨励する
5 家族が気持ちを表出できるように関わる
E-P
1 実際の治療方法がイメージできるように透析室の見学やビデオを見せる
2 今後の生活について生活を変えなければならないことや実施可能なことを具体例を挙げながら説明し指導する
3 シャントやカテーテルの管理方法について指導する
4 家族を交えて治療と今後の生活について話し合い、家族の協力を得る
5 家族に患者への理解と励ましが必要であることを説明する

#4自尊心、ボディ・イメージが低下する

目標:透析患者として自分自身を肯定的に評価できる
O-P
1 透析療法や自分についての否定的な言動
2 ボディ・イメージ
3 周囲の人とのコミュニケーションの程度
4 食欲、睡眠状態
T-P
1 思いや気持ちが表出できる雰囲気をつくる
2 患者の強みを見出し、現実の状況に対応していけるように励まし力づける
3 透析導入について肯定的な意味づけができるように思いや気持ちを言語化させる
4 必要であれば食事や整容、清潔のケアを行い徐々にセルフケアができるように援助する
E-P
1 実行可能な事から始めるように説明する
2 疑問があれば積極的に医師や看護師に訪ねるように指導する

タイトルとURLをコピーしました