疾患別看護計画:副甲状腺機能亢進症

副甲状腺機能亢進症の看護計画

#1副甲状腺ホルモンの分泌過剰により、骨の脱灰化が起こり骨折しやすい

目標:症状を理解し身の回りの安全が保たれ骨折しない
O-P
1 骨、関節痛
2 骨レントゲンの脱灰像、骨の透亮像、骨折ないし骨変形
3 血液データ:高カリウム血症、血性アルカリフォスファターゼ値の上昇
T-P
1 疼痛の強い時医師の指示により鎮痛剤の与薬をする
2 ベッド周辺の整頓をし危険防止に努める
E-P
1 骨折しやすいことを説明し、無理な動作は行わないように指導する
2 動作をゆっくり行い転倒など事故防止について説明する

#2高カルシウム血症により尿路結石、腎障害を起こしやすい

目標:結石が排出され苦痛がない
O-P
1 腎疝痛と血尿の有無
2 尿路感染症状
3 尿量、飲水量
4 腎機能
5 高カルシウム尿、高P尿
6 胸部レントゲンん
7 DIP、RP
T-P
1 腎疝痛発作時体位の工夫をする
2 医師の指示により鎮痛剤の与薬を行う
3 結石排泄の為飲水を促す(2000cc/日)
4 尿路感染症がある時は陰部の清潔を保つ
5 腎疝痛の発作がないときは体を動かす
6 薬物療法(医師の指示で下の治療が行われる)
a リン酸塩の経口投与
b リン酸塩の静脈内与薬
c カルシウム尿の排泄促進
d カルシトニンの与薬
e ミスラマイシン点滴
7 高度の高カルシウム血症においては昏睡からショックに陥るので救急処置の対処ができるようにする(生食補液、ステロイドホルモンの与薬、利尿剤)
E-P
1 飲水が一日2000cc必要であることを説明する
2 畜尿の方法について説明する
3 腎疝痛発作時の安楽な体位について指導する

#3高カルシウム血症により、神経の興奮が高まりが精神症状が出現しやすい

目標:カルシウムが定常に保たれ精神症状がない
O-P
1 無欲、うつ状態、睡眠状態
2 全身倦怠感、筋力低下
3 不安感が強い
4 食欲不振
5 稀に異常な精神症状を呈する。高度になる錯乱、昏睡を呈する
T-P
1 訪室を頻回に行い患者の訴えを十分に聞く
2 医師から患者に状態の説明をする
3 精神症状は一時的であることを説明する
4 不眠を訴える時は早めに対処し、夜間の睡眠は十分にってるように配慮する
5 内服薬の管理:正確に服用できているか把握
6 経静脈的にリン酸塩、カルシトニン、ミスラマイシンなどの抗カルシウム剤が与薬されるので点滴管理を行う

#3血清カルシウム低下によるテタニー症状が起こる

目標:テタニー発作が理解でき危険を防止できる
O-P
1 自覚症状
a テタニー(疼痛を伴う筋の強直性痙攣)
b 助産婦様手位
c 子犬肢位
d 気管支けいれん(喘息、呼吸困難)
e 知覚異常
f 倦怠感
2 他覚症状
a クボステイック徴候(顔面神経を叩くと上唇に筋攣縮をきたす)
b トルソー徴候(上腕にマンシェットを巻き血液を遮断すると助産婦手位をしめす)
c ルスト徴候『腓骨神経を腓骨頭の後方で叩くと足の背屈が起きる)
d 白内障
e 皮膚乾燥
f 色素沈着
g 脱毛
h 歯の形成不全
i 爪の変形
3 検査データ
a 血中副甲状腺ホルモン低下
b 血性カルシウム低下
c 血性リン酸塩上昇
d 血清PH、総CO2上昇(代謝性アルカローシス)
e 血清アルカリフォスファターゼ
f エルスワースハワード試験陽性
g ECG:QT時間の延長
T-P
1 テタニー発作出現時以下の処置を行う
a 医師の処方でカルシウム剤与薬を行う
b 危険物の除去
c 咬舌予防
d 誤嚥予防
E-P
1 カルシウム製剤、ビタミン剤を確実に内服するように説明する
2 高カルシウム食、P(リン)制限食の説明をする

#4気管支の狭窄による喘鳴と呼吸困難がある

目標:チアノーゼがなく呼吸困難がない
O-P
1 VS
2 呼吸数、努力様呼吸の有無、ラ音の有無、チアノーゼ
3 飲水量、尿量、脱水の有無
4 痰の有無
T-P
1 安楽な体位の保持
2 喀痰喀出を図るため十分に水分補給を行い、ドレナージ、吸入をする
3 医師の指示により気管拡張剤の与薬を行う
4 血液ガス不良時は医師の指示により酸素吸入を行う
5 発作時は必要以上に会話をさせないように配慮する
E-P
1 以下の指導をする
a 安楽な体位
b 有効な痰の仕方
c 体位ドレナージ
d 腹式呼吸

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