小児の痙攣発作の看護計画
#1痙攣に続発する呼吸停止や吐物の誤嚥、気道内分泌物の排出困難に関連した呼吸不全を起こす可能性がある
目標:正常な呼吸が維持できる
O-P
1 呼吸数、深さ、呼吸パターン、経皮的酸素飽和度
2 痙攣の程度、持続時間、左右差、強直性か間代性か
3 チアノーゼの有無
4 顔色、爪床色
5 眼球偏位の有無
6 嘔吐の有無
7 意識レベル
8 バイタルサイン、特に発熱の有無
9 けいれん既往の有無
T-P
1 痙攣の出現時には頭部後屈、頸部伸展の体位をとり気道を確保する。痙攣がない状態では肩枕をする
2 痙攣重責時には気道の確保を行い、呼吸停止時にはマスクバッグで用手換気を行う
3 気道の分泌物を吸引する
4 体位をやや挙上し、顔を横に向け誤嚥を防ぐ
5 口鼻腔内の吸引は、できるだけ刺激を与えない様に行う
6 心拍、呼吸、経皮的酸素飽和度モニタで監視する
EーP(教育)
1 嘔吐時には顔を速やかに横に向け吐物を出し、直ぐ知らせるように指導する
#2外的刺激、精神的ストレスに関連した痙攣の可能性がある
目標:心身ともに安静な状態を保てる
O-P
1 痙攣のおこりやすい時間帯やけいれんのおこった状況を把握する
2 発熱の有無
3 過去の既往状況
4 患児の言動、表情
5 睡眠状態
T-P
1 覚醒し始めたら刺激を与えないように注意する
2 不意に声を掛けたり患児を驚かせたりするような行為は避ける
3 発熱傾向の時は積極的に冷罨法を行い、医師の指示により解熱剤を使用する
4 入眠中などできるだけ静かな環境をつくる
5 病室の環境を整える
6 患児の訴えやすい環境をつくる
EーP(教育)
1 刺激をできるだけ与えないように指導する
2 十分な睡眠とゆとりのある規則正しい生活指導を行う
#3突然の痙攣に関連して、家族は患児の生命に対し強い不安を持つ可能性がある
目標:現在の患児の状態について家族が理解できる
O-P
1 小児についての家族の理解度
2 家族の痙攣についての知識
3 家族の不安内容
T-P
1 主治医との連絡を密にする
2 家族と十分コミュニケーションをとり、不安を訴えやすい環境をつくる
#4痙攣の原因が明確でないことに関連した家族の不安がある
目標:早期に治療が受けられる
O-P
1 発熱の有無
2 外傷の有無
3 頭蓋内圧亢進症状
4 検査データ:頭部CT、脳は、電解質の異常、低血糖、肝機能の上昇
T-P
1 現在の状況や検査の予定などを医師から十分説明する
EーP(教育)
1 検査の必要性を説明する
#5突然の発作に関連した転倒、転落の危険性がある
目標:周囲の環境が整えられる
O-P
1 いつどのような時に発作を起こしやすいか
2 ベッド柵が上がっているか
3 患児の行動パターン
T-P
1 ベッド上の整理を行う
2 ベッド柵は必ず上げておくように注意する
EーP(教育)
1 危険のある状況を家族に説明し協力を得る
#6熱性けいれん既往患児では、体温上昇に関連して再度痙攣をおこす可能性がある
目標:体温を38度以内の維持できる
O-P
1 バイタルサイン、特に発熱の有無
2 熱型
3 痙攣の有無、部位、継続時間、種類
4 呼吸状態
5 前回の痙攣時の状況
T-P
1 発熱時には冷罨法を行い、医師の指示により早めに解熱剤を使用する
2 寝衣、寝具の調節をする
3 室温を調節する
4 周囲の環境を調節する
#7患児の熱性けいれん既往に関連して、家族は発熱時に再発作の不安を持つ可能性がある
目標:発熱時の対処方法が理解できる
O-P
1 疾患の理解度
2 発熱時の対処方法と理解度
3 家族の言動
T-P
1 寝衣寝具の調節をする
2 発熱時には医師の指示により、早めに解熱剤を使用する
EーP(教育)
1 発熱時の対処法について家族に説明する
a 寝衣寝具の調節
b 冷罨法の必要性
c 発熱時に早めに解熱剤を使用することの必要性
#8抗痙攣剤の内服の必要性の認識不足に関連し再発の可能性がある
目標:内服の必要性が理解できる
O-P
1 疾患に対する理解度
2 内服薬に対する必要性の理解度
3 小児が内服をスムーズにできているかどうか
T-P
1 小児の応じた内服方法を考え、確実に与薬する
2 家族や患児の生活パターンに合わせて内服の時間を決める
3 家族の薬に対する必要性と理解度を確認し、必要があれば主治医より十分説明してもらう
EーP(教育)
1 確実に決められた時間に内服できるように指導する
2 内服の必要性を説明する