尿管皮膚瘻造設術の看護計画
#1尿路が変更になる不安がある
目標:自分の術後の排尿方法を具体的に言える
O-P
1 医師より家族及び患者に手術方法、麻酔術後の状態の説明がなされる時に、どの程度理解d家居ているかを確認する
T-P
1 尿路変更による不安を理解する
2 尿路変更術を行い現在社会復帰している人がいることを説明する
3 導尿口の確認とバリケアの皮膚のかぶれをテストする
a 導尿口が決められたら印をつけ(医師が行う)実際に装具をつけ、身体を動かしてみる
b 実際に使用する排尿バッグを貼付して、その部位の皮膚の発赤、かぶれの状態を観察する
E-P
1 術後も普通の人と変わらない生活ができることを説明する
2 装具については術前に実物を見せて、装着の方法を指導する
#2カテーテルが凝血、浮遊物によりドレナージが出来ないことがる
目標:尿流出がある
O-P
1 尿量、性状:血尿の程度、混濁、浮遊物の有無
2 カテーテル挿入部位より漏れの有無
3 挿入部痛、腰痛の有無などの自覚症状
T-P
1 尿量出不良時やカテーテル挿入部よりもれがある場合、医師により洗浄を行う
2 カテーテルの屈曲、閉塞の予防を行う
3 カテーテルの固定を行う
E-P
1 カテーテルが屈曲したり引っ張らないように指導する
2 自分の身体より排尿バッグが下になるよう指導する
#3尿管カテーテルから上行感染を起こす恐れがある
目標:発熱がなく尿の色が黄色で白濁がない
O-P
1 熱型、検査データ(CRP、WBC)
2 尿量、性状(混濁、浮遊物の程度)
3 検尿結果
4 水分バランス
T-P
1 尿管カテーテル挿入部周囲を清潔に保つ
E-P
1 経口開始に伴い、水分1500ml/日以上摂取するように指導する
#4周囲の皮膚が異常を生じている為、受尿器の装着が困難である
目標:皮膚の異常がなく、受尿器の装着ができる
O-P
1 周囲の皮膚の観察:発赤、疼痛、ビラン、発疹、掻痒感の有無
2 受尿器の装着状況:尿漏れ、皮膚の垂水の有無
3 ストーマに対する患者の受け入れ状態を十分に把握する
T-P
1 皮膚の清潔
2 皮膚の状態により適切な処置
3 受尿器の交換:1回/日
4 患者が焦らずに徐々にストーマを受け入れられるよう援助する
E-P
1 2~3時間ごとに受尿器から放水するように指導する
2 異常時の対処方法について指導する
3 受尿器装着方法について指導する(パンフレット使用)
4 抜糸までは看護師が装着を行い、抜糸後は援助しながら患者自身で装着できるように指導する
#5退院後の日常生活に不安がある
目標:尿路感染を起こさず退院後の生活に具体的見通しが立ち、自信が持てる
E-P
1 ストーマの管理について指導する
a 受尿器の交換は5~7日毎に、尿漏れがおきない前に行う
b 出来るだけ長期間保たせれば、皮膚の保護にも役立つ
c ストーマは2か月位すれば安定し処置もしやすくなる
2 日常生活について指導する
a 尿量保持:1日尿量は1500mml以上で保つ
b 利尿剤を使用している時は尿量が増加する
c 排尿:感染や尿漏れ防止の為、受尿器内にあまり尿をためない
d 今までの排尿回数と同じくらい3時間ごとに1回の割合で尿を捨てる
e 受尿器から、さらに大腿部に貯尿バッグをつけることができる
f 食事:特に食事制限はないが、ニラやニンニクなどを食べると尿種が強くなる
g 水分:結石や感染予防の為、水分は1500~2000ccと多めに飲む
h 衣服:下着は尿が捨てやすく受尿器が直接皮膚に接触しないように、下着に穴をあけたり別布に穴をあけ、受尿器を外に出すなどの工夫をする
i 上着はゆったりしたものを着てストーマや受尿器を圧迫しないようにする
j 就寝時:布団やビニールなどを敷き尿漏れによる感染を防ぐ
k 受尿器と貯尿バッグを連結してベッドや布団を高くし、横に下げておくと良い
l 入浴:入浴は何もつけずに入って良い。気になる場合は受尿器を付けたままで良い
m 排便:水分を多めに取り繊維性の食品を食べる
n 毎日1度、定時に排便をつける習慣をつける
o 運動:制限はないが下腹部に力が入ったり、ストーマを圧迫するようなスポーツはしない
p 通勤や外出:買い物などの外出や遠方への旅行も今まで通りで良いが、受尿器やガーゼなど必要な品物は一通り持っていく
q 夫婦生活:ストーマがあっても夫婦生活には差しさわりがないことを充分に知らせる。
r 受尿器が気になる場合は、腹帯などで固定するとブラブラしないことを説明する
s 尿路感染:尿量の低下が尿の停滞、体力低下などにより腎盂腎炎を合併することがあるので、発熱、尿の混濁、血尿、腰痛などがあれば外来受診するよう指導する
#6退院後の社会復帰、経済問題に不安がある
目標:社会資源、制度を知っている
T-P
1 身障者手帳:障碍者手帳が受け入れらるケースもあるので、患者に説明してケースワーカーと連絡を取り手帳が受けられるようにする
2 病棟看護師は外来看護師に患者の情報を流し継続した看護ができるようにする
E-P
1 社会復帰:自分の排尿状態が理解できるよう、他は術前と変わりないことを説明する
2 受尿器の購入方法について説明する:直接、業者の連絡先を教える
3 値段、種類などについて説明する
4 オストメイトの会社などについて:人工肛門や人工膀胱の会があることを説明し、装具の工夫や生活の知恵などの情報交換ができることを説明する
5 その他のアフタケア:その他、退院後に困ったことがあれば外来受診時に看護師に相談するように説明する