疾患別看護計画:子宮がん

子宮がんの看護計画

#1術後の排尿障害の為に安楽が妨げられる

目標:排尿機能が回復し、身体的精神的苦痛が緩和される
O-P
1 尿意の有無と程度
2 排尿困難の有無と程度
3 排尿時間
4 尿閉の有無
5 自尿残尿の有無、量、性状
6 尿漏れの有無と程度、尿漏れの状況
7 水分摂取量
8 発汗、不感蒸泄量
9 1日の水分出納バランス
10 患者の訴えと反応:羞恥心、不安、焦り、落ち込み、表情など
T-P
1 何故排尿障害が起こっているのかを分かりやすく説明し、不安や混乱の軽減に努める
2 リラックスして排泄できる環境を整える
3 必要時、用手的排尿を一緒に行う
4 残尿測定を行う
5 骨盤底筋群、尿道括約筋、腹筋を強くする体操を行う
6 尿路感染や膀胱炎症状を起こさないように適度な水分摂取を勧める
7 不安や苦痛を表出しやすい雰囲気をつくり、思いを傾聴する
8 患者が上手にできていることを認め励ます
9 患者の羞恥心を理解し、自尊心を傷つけるような言動をしない
E-P
1 用手的排尿の必要性と方法を指導する
2 残尿測定の必要性と方法を指導する
3 残尿測定が長期化すれば、自己導尿を行う場合があることを話す
4 自己導尿が必要になれば、清潔操作で安全に正しく行えるように指導する

#2術後の腸管運動障害の為に便秘、下痢である

目標:腸管運動機能をコントロールでき、身体的精神的苦痛が緩和される
O-P
1 腸蠕動減弱の有無と程度
2 腹部膨満感、鼓腸、ガス貯留の有無と程度
3 悪心、嘔吐、食欲不振の有無と程度
4 腹痛の有無と程度
5 下痢の場合、脱水傾向(皮膚状態、発熱、倦怠感など)の有無と程度
6 便の有無、回数、性状
7 患者の訴え、反応
8 術前の生活リズム、排便習慣
T-P
1 腸蠕動亢進の為ケアを行う
a 術後の早期離床の促進
b 腹部マッサージ
c メンタ湿布
2 排便コントロールのケアを行う
a 排便習慣
b 消化の良い食事
c 緩下剤、整腸薬の服用
d 適度な運動
e 下剤の場合は、水分補給
E-P
1 食事指導を行う
2 排便コントロール方法の指導を行う

#3術後のリンパ路障害の為に下肢浮腫がある

目標:浮腫が軽減し、身体的苦痛が緩和される浮腫の軽減・悪化予防行動が取れ、日常生活をできるだけ安楽に過ごすことが出来る
O-P
1浮腫の部位程度、皮膚の緊張感、皺の出現
2痛みの有無と程度
3日常生活への師匠の有無と程度
4ボディ・イメージの変化
5患者の訴え、反応
T-P
1徒手的リンパマッサージを行う
2圧迫療法(弾力包帯、弾力ストッキングの使用)を行う
3皮膚の保湿、清潔を保持する:クリームなどを使用
E-P
1日常生活上の予防法を指導する
a下肢の挙上
b長時間の同一体位を避ける
c股関節の極度の屈曲を避ける、正座を避ける
dゴムのきつい靴下や下着を着用しない
e適度な運動
f患肢を清潔に保つ
2セルフマッサージの方法と注意点を指導する

#4術後、女性性器摘出の為に女性性喪失感と性生活への不安がある

目標:ボディ・イメージの変化を受け止め、自己を肯定的に受容することが出来る手術後の身体の状態についてパートナーと共に正しく理解し、性生活への不安が軽減される
O-P
1ボディ・イメージの変化に対する思い
2自己にたいする肯定的、否定的言動の有無とその内容
3パートナーや周囲の人たちとの関係性の変化
4パートナーとの話し合いの有無とそれに対する双方の受け止め方
T-P
1患者やパートナーが思いを表出しやすい雰囲気をつくる
2患者やパートナーにどのような不安や苦悩があるのか傾聴する
3生殖器を失うことに患者自らが向き合えライフプランについて考えられるようにカウンセリング的態度で接する
4患者の意思決定や選択に対しては支持的態度で接する
5子宮摘出した女性のピアグループを紹介する
6患者やパートナーの心理面接の必要性について臨床心理士に相談する
E-P
1不安は自然な物であり、自分の思いを表出して良いことを伝える
2性生活指導を行う
aパートナーを交えて指導する
b手術による身体状態と影響を正しく理解できるように説明する
c性生活の支障は心理的影響が大きいことを理解してもらい、不安、悩み、疑問などについて相談しながら支援する

#5放射線治療の副作用の為に、安楽が妨げられる

目標:症状出現の予防と早期発見が出来、苦痛が最小限になる闘病意欲を保てる
O-P
1宿酔症状の有無と程度
a全身倦怠感、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、めまいなど
2皮膚障害の有無と程度
a熱感、発赤、乾燥、掻痒感、色素沈着、水疱、ビラン、潰瘍、肛門痛
3排尿障害の有無と程度
a頻尿、残尿感、排尿痛、血尿など
4感染徴候の有無
5出血傾向の有無と程度
a出血班、歯肉出血
6血液データ:白血球、赤血球、血小板
7患者の訴え、反応
T-P
1苦痛や気持ちを訴えやすい雰囲気をつくる
2食事の工夫を行う
3適度な水分摂取を行う
4止痢薬の服用とコントロールを行う
5ぶつかったり転落しないように環境を整える
6訴えや気持ちを傾聴し、頑張っている姿勢を認める
E-P
1皮膚の清潔、保護について指導を行う
a保清時、照射部位の皮膚を強くこすらない
b肌着は刺激が少なく通気性の良い綿製品を着用する
c搔痒感が強い時は、爪を短くし自分でひっかいて傷つけないようにする
2感染予防の指導を行う
a予防の必要性を説明し、手洗いや含嗽を促す

#6化学療法の副作用の為に安楽が妨げられる

目標:副作用の早期発見と対処が出来、苦痛が最小限になる闘病意欲が保てる
O-P
1尿量、時間尿、インアウトのバランス
2血尿の有無
3消化器症状:悪心、嘔吐、下痢、便秘、口内炎の有無と程度
4食事摂取量、水分摂取量
5脱毛の有無と程度
6末梢神経障害:手足、指のしびれ、痛みの有無と程度
7出血傾向:歯肉、出血班などの有無と程度
8感染徴候の有無:バイタルサイン
9全身状態:バイタルサイン、全身倦怠感など
10血液データ:白血球、赤血球、血小板、腎機能、肝機能、炎症反応など
11静脈炎:刺入部の発赤、疼痛、腫脹
12患者の訴え、反応
T-P
1治療時は頻回に訪室し訴えを聞く
2副作用出現時は医師に報告し指示を受ける
3嘔吐時可能な限りそばで付き添う
4ベッド周囲や部屋の環境を整える
a嘔吐、吐き気、食欲不振時:臭気に配慮
b粘着テープで床に落ちた抜け毛を除去
5希望食を提供する
6患者の治療にたいする頑張りを認める
E-P
1苦痛や異変を感じた時はすぐに連絡するように説明する
2感染予防について説明する
3家族の励ましが支えになることを家族に説明しできることを相談する

#7悪性疾患に対する不安・恐怖がある

目標:自分の気持ちを表出できる闘病意欲が持てる
O-P
1患者と家族の疾患に対する受け止め方
2患者のようすや言動
3不安の内容、程度
4家族から見た患者のようすや言動
T-P
1患者が気持ちを表出しやすい雰囲気をつくる
2患者一人で病気と闘うのではないことを伝える
3患者会を紹介する
E-P
1不安や恐怖を感じるのは自然な事であること、表出しても良いことを患者自身が理解できるように説明する
2疑問があれば積極的に医師や看護師に訪ねるように指導する

タイトルとURLをコピーしました