疾患別看護計画:悪性黒色腫患

悪性黒色腫患の看護計画

 

#1悪性疾患に対する不安がある

目標:不安が減少したことを言葉で表現できる。生理的、情動的、認知的状態が安定する
O-P
1 言葉による表現、表情、態度の現れ方
2 疾患のステージ、医師からの説明内容
3 不安の内容と程度
4 身体的、精神的苦痛の有無と程度、性質
5 血圧や脈拍の上昇、発汗の増加、顔色、睡眠状態
6 疾患、検査の対する認識や理解の程度
7 患者の状況判断力
8 性格傾向とこれまでに体験した危機状態での対処方法
9 キーパーソンの有無
10 経済上、仕事上、学業上の問題の有無
11 家庭環境のサポートシステム
T-P
1 不安の内容と程度をアセスメントする
2 共感的態度、受容的態度で対応し患者との関わりを多くすることで信頼関係を築く
3 声をかけることで注目しているとメッセージを与える
4 タッチングすることで安心感を与える
5 治療検査の説明が理解、納得できているか確認し必要時は医師に再度説明を依頼する
6 十分な睡眠がとれるように環境を整備し、指示によって効果的な睡眠薬を与薬する
7 出来れば同じような体験を持つ患者同士で話ができるように働きかける
8 病状が許せば医師に働きかけ外出や外泊を考慮し気分転換を図る
9 経済的社会的不安が強い場合、適切な社会資源の方法を説明し必要時来院してもらう
E-P
1 不安なこと不明なことがあれば、医療者に伝えることを説明する
2 患者家族を支援する福祉(精神的、経済的、施設)制度について説明する

#2術後、安静と疼痛の為にセルフケア不足である

目標:セルフケア活動を行う上で自分の好み(時間、成果、場所)を見出すことが出来る
O-P
1 現在のセルフケア能力の程度
2 ADL自立度
3 安静度、疾患や治療に対する認識、理解度
4 生活習慣
5 意欲、依存心、ストレス、不安の有無
6 固定具、ルート類、ドレーンの種類
T-P
1 セルフケアが不足している原因をアセスメントする
2 患者の状況に合わせて計画し無理強いをせず支持的態度で接する
3 努力や達成したことに対しては、励ましや賞賛をする
4 自尊心を損なわないように不要な手出しはせず、必要時のみ介助する
E-P
1 自分でできることと現在の安静度は一致しないことを説明する
2 移動、食事療法、保清方法、排泄方法などテクニックの知識を深める
3 必要に応じて補助具の使い方を指導する
4 安静度が変化するにしたがって、元来のADLレベルに戻れることを説明する

#3術後、創部感染の恐れがある

目標:感染の兆候が見られない。感染の危険因子について理解し、感染予防行動が実施できる
O-P
1 バイタルサイン
2 悪寒、戦慄、チアノーゼ、冷感、頭痛、悪心などの随伴症状
3 検査データ(白血球、CRP、細菌検査、X線)
4 抗生物質、解熱鎮痛薬の使用状況
5 各ルートやドレーンからの排液状況(量、性状、臭気)や刺入部位の状況
6 治療に関する患者、家族の理解度
7 感染予防行動の実施状況
T-P
1 感染を起こしやすい状況をアセスメントする
2 手洗いを徹底する
3 抗生物質を確実に投与する
4 処置時清潔操作を徹底する
E-P
1 感染の兆候、予防方法について説明する
2 創部を不潔にしない事、不潔になった場合報告することを説明する

#4化学療法の副作用出現の恐れがある

目標:合併症が早期に発見され対処できる。感染の危険因子について理解し、感染予防行動が実施できる
O-P
1 治療内容、抗ガン剤の内容、投与量
2 バイタルサイン、血液データ
3 感冒様症状の有無
4 感染予防行動(手洗い、うがい、マスク)の実施状況
5 内出血、紫斑、歯肉出血、鼻出血などの有無
6 貧血症状(倦怠感、ふらつき、四肢冷感、食欲低下など)の有無と程度
7 治療時の吐気、嘔吐の有無、水分出納状況
8 胃部不快感の有無、食事摂取量
9 便の性状、回数、腸動、食事摂取量
10 表情、言動、顔色など
T-P
1 手洗い、うがい、マスクの着用を徹底する
2 採血後の止血を確認する
3 安楽な体位を工夫する
4 必要時医師指示によって与薬、輸血を行う
5 嘔吐時は速やかに処理し、冷水で含嗽を促す
6 胃部のクーリングを行う
7 食事の工夫、補食を促す
8 感情が表出できる環境つくりを行う
E-P
1 化学療法でおこりうる副作用についての説明を行う
2 感染予防行動の必要性について説明する
3 皮膚を強くこすらない、鼻を強くかまない、柔かい歯ブラシを使う、排便時にはいきみすぎない事を説明する
4 吐気出現時は、無理に食べる必要が無いことを伝える

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