スキルアップテクニック:看護師の残業あるある
「看護師 残業」でネット検索してみると、怖いくらいリアルな不満の声が続々と出てきます。
看護師はサービス残業当たり前なのか、プライベートな時間が取れない、残業は突然なので予定が入れられない、など残業に関する看護師の不満は尽きることがありません。
看護師の残業問題について「残業の不公平さ」という視点で考えてみたいと思います。残業問題でストレスを抱えている看護師さん、ムカついている看護師さんに送る記事です。
あるある!看護師ならではの特殊な残業ルール!
病棟勤務や救急外来であれば、患者さんの急変による救命処置や、やむおえない緊急入院の受け入れなど、純粋な看護業務で残業発生することに関しては「仕方ない」と感じている看護師さんが多いと思います。
しかし、病院には看護師ならではの特殊な残業ルールが息づいているようです。例を見ていきましょう。
- 1年目看護師は残業禁止
- ママさん看護師は定時終業
- 新人は始業30分前から点滴作成
- 看護記録、看護サマリー作成は残業とみなさない
この記事を読んでいる看護師さん、あるある!と頷いている事でしょう。これらの残業ルールは、労働管理上の問題とともに「不公平さ」というストレスを生みます。具体的に掘り下げていきましょう。
中堅看護師にのしかかる不公平な残業の実態!
中堅看護師、病棟勤務7年目、愛子さんに話を聞いてみました。
うちは外科病棟で、緊急手術や緊急入院が多くて結構忙しい病棟なんです。それが、この職場の魅力、やりがいでもあります。
でも、ここ3年位、忙しいから勉強できない、とか疲れてしまった、という理由で退職してしまう新人看護師が多かったんですよ。
そのためか、上が決めた変な残業ルールができました。1年目看護師は絶対残業させない、というルールです。
看護記録も定時までに終わるように調節しないといけないし、万が一残った仕事は、全部先輩看護師が引き継いで残業するんですよ。
そのため、1年目看護師には当たり障りのない業務を担当させることになりますから、全然勉強にならないと思うんですが。
15時過ぎには、どんなに病棟業務が忙しくても1年目看護師はゆったりと看護記録作成です。
おまけに、定時には爽やかな顔して帰っていくんですから毎日残業を押し付けられる中堅看護師はたまったもんじゃないですよ。
本当に不公平なルールだと思います。愛子さん、大変そうです。
看護はチームで動いています。本当に必要な時は、新人看護師、中堅看護師など関係なく業務を円滑に進めるよう協力し合うことが理想です。
1年目看護師に負担がかかり過ぎないように配慮するのは、離職予防の観点から必要な対策でしょう。
しかし、新人を保護しすぎることによって、中堅看護師に残業の負担がかかり過ぎるのも問題です。
残業発生そのものを問題視せず、残業させる人員を限定するやり方が常態化し、不公平がまかり通る職場は働きやすいと言えるでしょうか?
1年目看護師の内は残業免除で、2年目になればいきなり残業あり、というのも酷な話です。
愛子さんは、新人看護師より私の方が絶対に疲れている、と断言しています。
何事もママさん看護師優先!?独身看護師の悲劇!
子育て中でも安心して看護師が続けられる、残業一切なし、そんな病院やクリニックのうたい文句は魅力的です。
しかし、ママさん看護師にとって、家事育児と両立しやすい職場環境が、独身看護師たちの犠牲の上に成り立っているとしたらどうでしょうか?ママさん看護師を取り込みたい病院やクリニックが、抜本的な業務改善をせずに、採用者を増やすとどうなるでしょうか。
看護師4年目の美雪さんに聞いてみました。
私の働いている病棟は、内科の慢性期病棟です。
外科的処置が少ない事、療養目的の患者さんが多い事で、病院は「ブランクがある看護師でも働きやすい」「子育てと両立しやすい」と看護師を募集しています。
そのため、看護師の半分以上が子育て中のママさん看護師です。
幼稚園や保育園に送ってから出勤、時短勤務か残業なし勤務のママさん看護師が多いので大変です。
独身や既婚でも子供が居ない看護師に負担がかかってしんどいです。
病状が安定していても、身体介助や排せつ介助の患者さんが多いので、とても忙しいんです。
ママさん看護師は、朝の本当に忙しい時間にはいないし、夕方のバタバタする時間にもいない。
残業は独身看護師がするもの、と決められています。幼稚園や保育園のお迎え時間とか、家事との両立があると分かってはいても、不公平すぎると感じることはあります。
残業が出来ない看護師、残業なしという条件で採用した看護師が多数を占める職場は大変です。残業そのものはある状態ですから、その負担は独身看護師や既婚子供なし看護師に大きくのしかかってきます。
ママさん看護師が悪いわけではないのですが「残業なしの定時上がり」を条件に採用された看護師が多い職場で働くのは大変そうです。
美雪さんは、”たまには私も定時で帰りたい”、とぼやいています。
あなたの職場は残業を少なくする取り組みをしていますか?
看護師の残業問題は、残業できる人に負担がのしかかる不公平問題、と言い換えても間違いないと思います。
患者さん利用者さん相手の仕事である以上、不測の事態で残業発生することは避けられないのかもしれません。
しかし、残業が当たり前、残業ありきの看護業務は問題です。16時以降の臨時入院は、日勤看護師のうち残業できる人が受け持つ、となれば絶対に残業となります。長時間手術からの帰室を日勤看護師が担当する事になっていて、16時半を過ぎても手術が終わらない場合、残業発生するのでしょうか。
これらの問題に、あなたの職場はどのように対応されているでしょうか。何らかの対策を取ってくれていますか?
日勤で残業できる人がすればよい、とタカを括ってはいませんか?
遅出勤務の導入、夜勤看護師の増員に取り組んでいる病院もある
残業が発生する理由はいろいろです。
- 1人の看護師に割り当てられる仕事量が、定時のキャパを超えている
- 看護師が手薄な時間帯に業務が集中する
- 業務量当たりの看護師人数が少なすぎる
などです。
残業そのものが無くならない限り、一部の看護師が残業を免除されたとしても、それ以外の看護師が負担しているだけなのです。看護師の時間差出勤や遅出勤務の導入、夜勤看護師の人数を増やすなどの対策を取っている病院も増えてきています。不公平な残業ルールで、一部の看護師に過剰な負担がかからないように配慮されています。
日勤や、夜勤明けはなるべく残業なしでスムーズに帰れることで、プライベートが充実しストレス、身体的な疲れが緩和されます。
中堅看護師だから、独身看護師だからという区分で無条件に残業を押し付けられるのは不公平です。
新人看護師も、ママさん看護師も、独身看護師も、中堅ベテラン看護師もみんなが働きやすい職場が理想ですね。
まとめ
看護師の皆さんは、やみくもに「絶対に残業なんかしない」と拒絶しているわけでなないと思います。
看護師の残業は「なぜ私ばかり」という不公平感がストレスとなることが多いと言えるでしょう。
残業の廃止、勤務に関する不公平の是正に取り組んでいる病院に興味がある方は、ぜひ看護師専門の転職サイトにお問い合わせください。
残業が多い職場で悩んでいる看護師さん、ストレスを感じている看護師さんの悩みを解決するきっかけになると思います。
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